じんましん 病型別治療ガイドあらゆる場面に対応するための実践的テクニック

  • 編集秀 道広広島大学 医学部長 広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学 教授
  • 執筆者(執筆順)高萩 俊輔広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学秀 道広広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学 教授亀頭 晶子広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学猪又 直子横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学 准教授中原 剛士九州大学大学院医学研究院皮膚科体表感知学講座 准教授今村 真也神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野福永 淳神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野 講師織田 好子神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野森桶 聡広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学鷲尾 健神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野沼田 智史広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学岩本 和真広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学岡本 真由美広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学齋藤 怜広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学
  • ISBN978-4-9910927-0-1
  • 発行年月2019年6月
  • 価格3,400円+税
  • 判型B5
  • ページ数112頁
  • 内容医師からのアンケ―ト結果を解析して、実臨床におけるガイドラインの位置づけを各章で紹介! 日常診療で遭遇するすべての蕁麻疹に対応するための必読書。

序文

蕁麻疹は,その定義に基づく診断は容易である。さらに,I型アレルギーおよび特定の薬剤により誘発されるものを除けば,治療の中心は抗ヒスタミン薬の内服であり,かつその半数以上では大きな臨床的効果を得ることができる。しかし,特定の原因や誘因を特定できない,あるいはその回避が容易ではない場合や,抗ヒスタミン薬では症状を制御できない場合の治療の難易度は高い。その背景には,蕁麻疹の原因と病態が多様で,対処の仕方は決して一律ではないこと,保険適用のある治療薬はきわめて限られており,抗ヒスタミン薬の種類は多いがその作用の大きさにはあまり大きな違いがないなどの事情がある。

 

2018年末に改定された日本皮膚科学会の「蕁麻疹診療ガイドライン 2018」は,病型ごとに治療薬のエビデンスと推奨度を整備し,19の行動指針を示してより具体的な診療を支援した。慢性蕁麻疹に対するステロイドの使い方については,より具体的な量と期間,経過を踏まえた使い方が示され,アルゴリズムにはオマリズマブが加わった。刺激誘発型の蕁麻疹については,一律に誘発因子を回避するだけではなく,病型により積極的に軽い負荷をかけることで過敏性を低下させる寛容を誘導され得ることが示された。さらに血管性浮腫の分類は治療内容を踏まえて修正され,蕁麻疹の診療は大きく整備されたといえる。

 

しかし,さまざまに治療の選択肢が増え,そのエビデンスが整備されても,最終的に目の前の患者にどの治療薬(法)を適用するかは診察医の判断による。特に,慢性蕁麻疹以外の病型に関するアルゴリズムはほとんど整備されておらず,実はむしろこれらの病型のほうが治療に難渋することが多い。また,検査は病型ごとに意義とやり方が異なり,実施するにしてもどこまで行うかは施設による違いもある。そこで本書では,慢性蕁麻疹のほか,これまでのガイドラインや成書であまり取り上げられてこなかった特発性の蕁麻疹以外の病型と検査にも光をあて,日常診療で遭遇しうるすべての蕁麻疹に具体的に対応するための指針を示すことを目指した。

 

また,ガイドラインに示されている薬剤や治療法,検査法が,わが国における実臨床のなかでどこまで行われているかの情報は,各臨床医が個別の診療を行うためにきわめて有用である。そこで編者らは,本書出版に合わせて日本皮膚免疫アレルギー学会会員にアンケートを行い,そのうち卒後21年以上の医師の回答を集計,解析した。その結果は各章のコラムで紹介され,なかには意見の分かれるところもあるが,わが国のエキスパートの多くがよくガイドラインに準拠した診療を行っていることが示されたと思う。本書が,ガイドラインを補填するテキストとして,また,各診療医がわが国における自分の立ち位置を踏まえつつ,個々の患者に最善の診療を行うための助けとなれば幸甚である。

 

2019年6月

秀 道広

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